飛騨に伝わる「両面宿儺」の伝説

両面宿儺とは

高山市丹生川町に伝わる、飛騨の豪族「両面宿儺」。

日本書紀によると、両面宿儺は一つの胴体に二つの顔があり、手足が各四本ある怪物として恐れられ、大和朝廷に背いたとして

難波根子武振熊(ナニワノネコタケフルクマ)に討伐されたとあります。しかし、飛騨地方では、両面宿儺は武勇にすぐれ、

神祭の司祭者であり、農耕の指導者でもあったと言われ、地域を中央集権から守った英雄であったと語り継がれています。

両面宿儺にまつわる丹生川町スポット

①飛騨千光寺(丹生川町下保1553番地)
TEL:0577-78-1021
HP:https://senkouji.com
・円空仏寺宝館 「両面宿儺坐像」
・宿儺堂「両面宿儺の石像」

寺の縁起である「千光寺記」によると、1600年前、仁徳天皇の時代に両面宿儺が千光寺を開山したと記されています。

江戸時代初期には、生涯に12万体の仏像を刻んだと思われる円空が晩年千光寺を訪れ、しばらく滞在していました。

その際に、円空が彫った両面宿儺坐像が、円空物寺宝館に展示されています。

 

②飛騨大鍾乳洞(丹生川町日面1147番地)
HP:https://www.syonyudo.com
TEL:0577-79-2211

飛騨大鍾乳洞には、直径6.1mの日本一大きい宿儺鍋(当時)が展示されています。この宿儺鍋は両面宿儺を偲び五穀豊穣を願って

開催されている「飛騨にゅうかわ宿儺まつり」で実際に使用されたもので、平成13年の第1回目から平成19年まで使用されていま

した。現在、日本一の宿儺鍋は使用されていませんが、毎年11月3日には丹生川支所前駐車場で飛騨にゅうかわ宿儺まつりが

開催されています。

 

③両面宿儺洞窟(※現在落石の恐れがあるため立ち入り禁止)
両面宿儺遥拝所

出羽が平(デガワヒラ:現在の飛騨大鍾乳洞近辺)の岩窟より両面宿儺が出現したと言われています。

両面宿儺は、両面宿儺洞に居住していたと言われ、両面宿儺洞の奥には、両面宿儺石像が祀られていますが、現在落石の恐れが

あるため立ち入り禁止となっています。そのため、両面宿儺洞登口には、両面宿儺遥拝所が開かれています。そこには飛騨千光寺

の円空物を模した両面宿儺像が安置されています。

④善久寺(丹生川町日面788番地)
・両面宿儺像(土日祝のみ拝観可能)
※土日祝でも、拝観できない場合がありますのでご了承ください。
・御膳石(オゼンイシ)

両面宿儺は、十一面観音の顕現である(姿が現れる)と名乗り、善久寺を建立したと言われています。

境内には、六地蔵堂が建てられているほかに両面宿儺にちなんだ両面宿儺像や十一面観音が祀られています。

また、善久寺敷地内には、難波根子武振熊と戦うため丹生川村を出る時、両面宿儺は村人からもてなしを受けたが、

民に難が及ぶのを気遣い、軒から外れた石を膳に鍋を食べたとされた御石膳があります。

⑤丹宿儺の足跡(丹生川町坊方)

両面宿儺がこの地と千光寺の間を飛翔した際に残された足跡と言い伝えられています。

 

⑥丹生川支所(丹生川町坊方2000番地)

丹生川支所正面入り口に両面宿儺のレプリカが設置されており、一緒に写真を撮影することができます。

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2022年5月15日

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